私が、自営ソニア設計事務所として活躍(?)していた時知人の紹介で施主であるOさんに出会ったのはかれこれ20年前のことだったと思う。
夫婦で教員をなさっていた方で村田町という県南地域環境に家を望んでおられた頃の出会いだったと思います。
奥さまは盛岡出身で旦那様は昔から地元に住まわれていて地元に自宅を建てるというシチュエーションだったと思います。自分をしっかりとお持ちの方でプランはすぐにと決まった。
しかし、これからが結構大変で当時、輸入建材を手に入れるのは困難を極めたと思う・・・。
なぜなら、個人輸入で直接”シアトル市”から買付をすることにしたからでした。横浜に住んでいる知人経由で現地の代理人に買付を頼むという仕組み。
実際、運搬の海運会社の選定から船荷証券の発行から受け入れ側の倉庫会社と税関そして陸送会社・・・・・そんなこんな現場の工期に合わせて段取り・・・。
正直、大変だった。設計もキッチンの組み合わせもパーツを組み合わせて、国産シンクを選んで人工大理石に穴や開口をくり抜く作業も頭に入れて設計した。
そして、当時では珍しい床暖房も取り入れた。床はコンクリートの中にパイプを埋め込み表面は19ミリの無垢材を直貼りした。
折角だから堀炬燵を2ケ所作った。床暖房が熱源だから簡単だ。ボイラーからのヘッダーを物置兼車庫に配置しスキーの板の乾燥室も兼ねた。
和室は一か所配置しその建具に奥様の成人式に着た振袖を貼り付けた。
2階トイレはガラスブロックのコーナーを壁にした。照明はほぼ不要!廊下の照明でほぼ間に合う。面白い試みだったと思う。
ガラスブロックのコーナーを多用すると外部の光を取り入れしかもプライバシーは保てる!もっと住宅に多用してもいいと思う。
兎に角、住宅の器で造り手としても充分楽しませていただいた住宅でした。特に周辺が田んぼでしたので、開口部の木製上げ下げ窓(ダブルハング)は一面網戸になっているので”ツマグロヨコバイ”が侵入しずらい・・
・・ということで思わず施主の感謝の言葉でした。
それから20年経った今まで改装から増築迄4回以上声をかけていただき楽しいお付き合いをさせていただいております。
住宅のことを書くと兎に角一晩か掛かっても尽きないので後ほどまたアップさせていただきます。
2015-10-23 家づくりの話