私が地盤調査に関わったのは今から 20年前のことで大手ハウスメーカーの”敷地調査”の下請けでした
図面の下請けに付属してやらなければならないものでした。
所轄行政庁(市役所等)に出向いて集団規定、単体規定等、法務局で謄本公図測量図取得、周辺の所有者調査、測量図がないことが多く平板測量。
一番大変なのが現地でのスェーデン式サウンディング工法(以下SS工法)による地盤調査。
SS工法とはドリル先の付いた鉄棒を地面に挿入していき1.0m毎のハンドルの半回転数を記録しておくものでした。
1.0m毎に特記として”ガリガリ””ゆっくり自沈””ストーン自沈””じんわり重い”等を記載していくわけですがその感覚が後の仕事にずいぶん役に立ったように思います。
地質を身体を通して感じることは非常に大切なことと思います。
今は機械で挿入して回転数の記載だけでグラフにして報告書作成と提案で10年5000万迄補償まであるのでお任せが多いのですが担当の建築士はあまりに他人任せの姿勢がみえて腹が立つことがある。 荷重が100㌔で”ストーン自沈”でもN値(地耐力)は計算値30KN(粘性土)と出るのは結構ある。
その意味合いを知ってデーターを確認するとすればよいのであるが、当時その結果表を見ても理解できない人が多かった。
担当した物件で、ある県内では大きいデベロッパーのある管理建築士が擁壁際の基礎の地盤補強の為に擁壁に接続していたケースがあった。
土圧による擁壁の動きと建物の荷重を一緒にしたら建物にどんな影響が出るか?]
結果は明白でした。
基礎の接続部分が折れ傾斜・・・。
また、東京都内のある会社の担当していた頃、宅地造成で平気で建物と擁壁を接続していることを容認しているのもあった。
これは全体として計算すれば程度問題ない。ということになるかもしてないが、基本、建物と工作物は縁を切るのが本当であろう。何故なら 将来、建物解体時、隣地の宅地や建物の保全には悪い影響が出ることは明白である。
また、そのデベロッパーの話であるが当時ほとんどなかったがSS調査をアフターメンテ部門に直営させた。
そして宅地造成した宅地を引き受ける際、自社で検査して”駄目だし”をして補強させた。
特に擁壁の際はほとんど”OUT!”でした。
セメント改良(土質によっても違うが土:セメントは2%内外)か砕石でランマー掛け(プレート掛けでは無い)をさせた。
それから100%地盤沈下事故はなくなり今でもその会社は健在です。
あのままあの管理建築士の判断で遂行していたら大変なことになっていたはずです。
知識がないことはもちろん周りの協力業者に聞いても誰も教えてくれないのです。
何故なら・・・
下請けは出来れば余計なことはやりたくないのです。 判っていても・・・。
たとえそれが大会社だとしても担当管理者は・・・・
そんな世界なのです。指摘すればちゃんとやります。それが監理なのです。
今、マンションの杭工事の瑕疵で大変な話題になっているのですが、下請けを監理している人材が無責任なのだろう。
工期は販売までの金利に関わるので絶対に遅らせられない。
そんな利益優先や流れ作業のように仕事をこなしていく”慣れ”に対して人として当たり前のモラルが今後問われていくことは明白でしょう。
品確法で国交省に提出義務の”瑕疵保証”は監理する側は人間だから”見落とす””間違える”を前提に補償するシステムであり、今回はこのシステムが機能することだと思います。
が・・・・
建設業界の資質の問題になるのだろうし、また、基準法が改正されることになるのだろうと思うこの頃です。
2015-10-25 家づくりの話