BLOG - ONENESS仙台設計企画室 一級建築士事務所

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東京の旧運河はいま・・・・宅地の下に

私が宅地造成に関わった期間が3年弱でしたが、東京都内、横浜市内エリアを中心に動き回っていたのを今でもよく思い出すことが多い。

都心部の一戸建ての住宅の需要はかなり高く、その所属していた会社では土地の仕入れを120宅地/月を目標に展開していた勢いのある会社でした。

私はその取得した土地を区画割計画をした通り、建物解体~実測確認の境界杭の設置とか宅盤形成の為ブロック塀を業者に発注監理していました。

そんな中問題となるのが”地中障害物撤去”の作業だった。

東京湾に面しているエリアの土地は多く運河が土地の地中に埋められていることが多くそのコンクリート製護岸やレンガ敷や江戸時代頃の松杭・間知石などがゴロゴロ出てくる。

それを撤去する訳ですが隣地境界を挟んで隣地の家屋に影響与えないように撤去するのが大変で気を遣う、勿論、巨大な護岸が境界線上にあれば、粉砕する機械を投入するわけですが隣地家屋に影響無いように加減が難しい。

自社物件の建売住宅にするのであればある程度地下障害物が残っていても問題はないのですが、土地のみで売買され、売買された後で地中障害物が出てきた時は大変でした。ドーム型レンガ造りのトレンチが出てきた時は延々と迷路のように10区画位の造成地をグルグル巡りすでに上棟していた宅地の下迄達していたのには恐れ入った。

また、そんなこんなで宅地を住宅部門に引き継いだはいいがまた新たな問題は”井戸があった土地”を扱った時である。井戸は”生き物”と同じ扱いをするのが普通ですが、”お祓い”をせずに埋めてしまった場合は買主から損害賠償を請求されることに発展することがある。

また、パイプを一緒に埋めて”呼吸”ができるようにしてあげるのも常識である。

そんなこんなで土木工事の経験は短かったが色々な実践的な知識が付いたように思う。

しかし、ここの会社の問題点は遺跡らしい地中障害物が出て、上司に報告しても教育委員会に調査依頼をしない点で撤去処分してしまうことである。

勿論、面倒なことは多いが歴史的に貴重なものであるかどうかは我々が判断すべき問題でなない。

東京都内では戦時中空襲によって火事があった家屋の木材などが地面下に埋まっていることが多く、墨田区周辺の黒っぽい土がそれを物語っているようです。

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