年度末になり私なりに来年度に向け色々準備をしているわけで、来年度の”住宅ストック循環支援事業”の事業者登録も完了しそして、ひたすら図面を描いている日々が続き”瑕疵検査業務”も最小限にしているここ毎日であります。
今年に入って震災前に所属していた会社の社長さんから電話をいただき所有しているマンションのリフォームをいただき、精一杯の仕事をさせていただいた次第です。
感謝しています。
さて、良く問い合わせがくる内容について少しお話をしようと思いますのでお時間があれば読んでいただきたいと思います。
それは・・・住宅メーカーが如何に建築費を安く見せようとしているか?ということに焦点を当ててみたいと思います。
まずそれを解析すると・・・坪当たり〇〇万というのがある。つまり、建築費を建坪で割った数字である。
そこでまず分母を大きくするためのマジックで”実施施工面積”と”メーターモジュール”というのがある。
例えば通常の”尺モジュール”3LDKで30坪だとすると単純に1.2倍余りになる。≒36.23坪になり4・5LDK並みになる。
それが一つ、そして会社独自の”実施施工面積”が出てくる。
玄関ポーチの床タイル貼面積、バルコニーの面積、コ型に入り組んだスペースの面積。
これらを加えると・・・・・・30坪希望のプランがこれの合わせ技で分母を大きく見せているということです。
でも”メーターモジュール”自体は空間構成に悪い訳ではありません。私自身も利用した経緯があります。
それは、一部”メーターモジュール”化することです。階段、通路、トイレが主で介護型住宅を考える上で車椅子の巾、同時に耐震性(?)も考慮して4寸柱を採用なんてことすると・・・。床面積アップ率≒10%増加ですので30坪→33坪になる程度です。
しかし、実際、現場では大変です。一間で1.820㎜→1.910㎜になる部分が出てくるから、基礎から土台の寸法やら土台継手位置の左右のアンカーセットの位置まで設計、監理、管理が気を張って仕事をしなければなりません。
でも、図面を書く人間が手間だったり、管理する人が現場に留まる時間が長くなり職人も気を張って仕事するなんてことは何でもないことなので費用対効果に苦労はつきものです。
ここで・・話は戻りますが、”メーターモジュール”自体は空間構成に悪い訳ではありませんがすべては必要ないと考えます。そして、木材の石数や内装ボードのコストは水廻りの住設部分以外が増えている分吸収できているということになります。
そして極め付けで、オプションの追加分を加えたとして・・・分子の建設費が仮に¥1500万とすれば前述の通りで増えた分母が38坪(30*1.2+施工面積)になり39.5万/坪で安い!!・・・と思うわけです。
実際は50万/坪的・・・なもの?となるわけです。・・・それだけではなく分母を増やす為に「あと少し・・・坪数があがると・・・・カウンター型キッチンが差額なしで置き換えられるのですが・・・・。
あと1.0坪広くしませんか?」と営業から進められるわけです。しかし、一概に必要以上に大きい部屋大きい家は悪いわけではなくこれの仕組みを判った上で選択することはむしろ良いことかもしれません。価値観の問題になろうかと思います。
因みにこの会社にメーターモジュール→尺モジュールに換えた場合オプションは50万だそうです。(会社として損が無いようにシュミレーションしている金額だと想像出来ます)